統計のテクニックを駆使して占いが当たるように見せかける法

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インチキ占い師の古典的トリック

インチキな占い師というのは昔からいるもので、例えば加藤大岳先生の本に出てくるインチキ占い師のエピソードは、面白おかしく書き直せばこんな感じです。

新大久保駅前

1.ある占い師の大先生の自宅に鑑定客がやってきて、小僧さんが応対する。

2.「今先生は鑑定中でして…」とかなんとかいって鑑定客を待たせ、小僧さんと世間話をするように仕向ける。

3.小僧さんは世間話から鑑定客の相談内容を聞き出す。

4.聞き出したところで小僧さんが鑑定客を占い師の前に通し、座布団をあてがう。

5.この座布団の色で「この客は何を相談しに来たか」というのを占い師に伝える。

6.占い師「あなたのお悩みはこれですな!」

7.客「ははははははいそうですそうなんです!!!!!!!」

8.占い師「ではこのツボと水子供養の祈祷のセットをいくらで云々」

9.客「」

まあ、なんとも原始的ですね。

今でもコールドリーディングだとかいろいろ言われていますが、こういう手口は相当に昔からあったようで、おそらくは探せば江戸期あたりまで遡れるのではないでしょうか。
何かを当ててからオプションを買わせる、このやり方には注意してくださいね。

統計で占い的なことをしたり、占い師の営業を後押しする方法

さて、占いをせずに「何か当てる」方法ですが、実は統計を利用すれば、軽く似たようなことができてしまいます。
例えば東京都内だと、平均結婚年齢は29-30歳といったところです。つまるところ、鑑定客の年齢を見れば、何パーセントくらいが未婚かがわかります。
もっとダイレクトに年齢別未婚率という資料がネットに転がったりしていますので、今回はこれを使いましょう。

この表によると、30-34歳のレンジでは、女性の37.4%、男性の41.3%が未婚であるとわかります。
これくらいの年代の人に、あなたは未婚ですねと尋ね歩けば、だいたい40%くらいの確率で「そうです当たってます」と言われるわけです。

とはいえ50%を切っていては仕方がありませんので(笑)、これにプラスして、お客さんの指に結婚指輪があるかないかをチェックするプロセスを加えましょう。
こうすれば、かなりの確率で、未婚(離婚)であるか、既婚であるかを当てられるのではないでしょうか。

占いに行くために、わざわざ指輪を外す人は少ないでしょうし、わざわざ占いにくるくらいですから、32歳男性で指輪がなければ、統計データの41.3%を相当に上回る確率で、未婚だと判断できるでしょう。
そして占い師が「恋愛に強い」「出会いに強い」という名目でメディアに出たりしていたら、集まってくる顧客のニーズがそれに集中していると考えられますから、70%だとか80%だとか、とんでもない確率で当てられるかもしれません。
(これだと厳密には統計ではなく、経験則の積み重ねが統計的に見えているというだけですが、実際にデータを取れば、悪い意味で有意義な営業ができるかもしれませんね)

念のため書いておきますが、ここでは「既婚か未婚か」という超単純な当て物を例に引きましたので、これを実際の現場でやっている占い師さんは少ないだろうと思います。
とはいえ自分の客層や鑑定の価格、メディアでどう取り上げられているかなど、統計的手法でお客さんの心の中を読む方法は、無数にあると言えるでしょう。

そのほかにも平均離婚率、子供の数の平均、不妊治療を受けるカップルの割合や年齢別の成功率、各都道府県の所得の中央値、似たようなデータはいろいろと転がっていますので、創意工夫であれこれアタリをつけたり、顧客をグイッと引きつけることができるだろうと思います。

例えば、現代ではカップルの1/7から1/10が不妊治療を受ける必要があるのだそうです。
であれば、「これから結婚するのですが」と相談に来たカップルに、 片っ端から「病院に行ってください」とアドバイスすれば、そのうちの10-14%は「先生の鑑定が当たって、事前に問題を発見することができた」と占い師を尊敬するようになるでしょう。
こうなると、水子供養オプションの販売やらで客単価が跳ね上がり、「占いが外れたなぁ」という客がリピートしなくなるマイナスを差し引いても、プラスになる可能性があります。
コールドリーディングでツボやらを売りつけるインチキ占い師は、こういったトリックを通じて、期待値を上げる方法を体験的にマスターしたのかもしれません。
(あくまで、しれません、ですよ)

というわけで、もう一度。何かを当ててからオプションを買わせるやり方には注意してください。

梅花心易で有名な鎗田宗准先生は、「占いはインチキだろう!」と言われて「ではお好きな日の天気を当ててみせましょう」と答えたそうです。
腕前を見せてお客さんを納得させるために過去を当てる先生もいますが、たとえば私が仲良くしている台湾の老師は、知りようのない「服の下にあるホクロの位置」「父親が買った車の台数」「家の玄関がどっち向きか」とかいう、当てようがないものを当ててきます。

つまるところ、サービスとしての占いは、未来予知をからめたカウンセリングこそが本体で、過去を当てるのにとらわれるのは顧客側からしても損、だと思ってほしいのです。
そして、総額を最初に明示する占い師のほうが信用できるという私の説も、なんとなく信用していただけるのではないでしょうか(笑)