田中(あらいちゅー), 馬主で大家で占い師
紫微斗数の流年法(大限・太歳・小限と四化飛星)
紫微斗数の流年法について
紫微斗数で10年単位の運勢を見る方法として、大限法というものがあります。また、流年(毎年の運勢)を鑑定する手法として、主に太歳法と小限法があります。初心者は言葉の定義があやふやになりがちですので、その3つについて簡単にまとめておきます。
なお話をわかりやすくするため、「紫微斗數命盤算命」で作成したこちらの命盤をサンプルにして説明していきます。
大限法
大限法は、10年単位の運勢を鑑定する方法です。
「何歳から何歳までの10年間はこの宮」「何歳から何歳までの10年間はその宮」といったふうに、10年間ごとにひとつの宮が割り当てられています。その宮に入っている星を見ることで、10年間の運勢を占います。上の画像では、2-11、12-21と書かれている数字です。22歳から31歳を占う場合は、戌宮を見ることになります。
また、宮の十二支とセットになっている天干から四化を飛ばすことで、四化星を用いて詳しく運勢を鑑定することができます。これを大限四化と呼びます。
太歳法
太歳法は、毎年の運勢を鑑定する方法です。
その年の十二支と同じ十二支の宮を見て、そこに入っている星から、その年の運勢を推測します。日本国内では、この太歳法を重視する人が多いようです。上の画像の例では、2021年は丑年ですから、丑宮を見ることになります。
太歳四化(流年四化)の異論について
大限宮から四化星を飛ばす場合、大限宮の天干を用いて飛ばすという点は異論ないかと思います。しかし毎年の運勢を見るために四化星を飛ばす場合、太歳宮の天干から四化を飛ばすのか、毎年の干支の天干から四化を飛ばすのかで意見が別れます。これはどちらが正しいという話ではなく、流派ごとにスタイルが異なるということです。
太歳宮の天干から四化を飛ばす方法
前者に関して上の画像を例にすると、2021年は辛丑年であるため、丑宮の天干である丁から飛ばすことになります。
年干から四化を飛ばす方法
後者の場合は、2021年は辛丑年であるため、どこかの宮からではなく、辛を用いて飛ばすことになります。
本来の飛星派は太歳宮の天干から四化を飛ばす
東海林秀樹先生によると、本来の飛星派は前者のほうであり、支持者もこちらのほうが多いようです。また大変ややこしいことに、これらの毎年の四化飛星のテクニックは「太歳四化」とも「流年四化」とも言われており、どちらがどちらを指すのかが人によってマチマチになっています。
このように、四化飛星に関する用語の不統一が初心者の学習に支障をきたしている状況ですので、個人的には、
- 宮の天干から飛ばすのは太歳四化
- 年の天干から飛ばすのは流年四化
という呼び方がスマートで良いと思うのですが、この分け方が広まっているとは言い難いです。本などで四化飛星を勉強する際は、どちらの方法に沿って書かれているのかを確認しながら読んでいきましょう。
小限法
小限法は、毎年の運勢を鑑定する方法です。
具体的な計算の仕方は省きますが、「数えで何歳の時はどの宮」というふうに、年齢ごとに宮が割り当てられており、その年齢にあたる宮の星を見て、毎年の運勢を判断します。
日本では飛星派の紫微斗数を学ぶ人が多いため、小限法を使って鑑定する人は比較的少ないのですが、太歳と小限の両方を併用する人は一定数いるようです。
また小限の宮にも天干が割り振られていることから、小限四化を見ることも可能ですが、日本国内で使っている人はごくわずかのようです。
月運・日運の単位で運勢を見るには?
ここまで紫微斗数で毎年の運勢を調べる方法を解説してきましたが、毎月、毎日の運勢を調べることもできます。
細かな作盤法の話になりますが、まず「子年斗君」というものを算出し、そこから「斗君」を求めます。斗君とは旧暦の1月を指し、そこから何月は何宮、その次の月は何宮、といったふうに毎月の運勢を見ていきます。またこのシステムを援用することで、毎日の運勢を判断することもできます。
そして蛇足になりますが、台湾書には流月四化・流日四化という概念が出てくるものもあります。日本ではあまり見かけません。
簡単なところから紫微斗数を学ぼう!
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