紫微斗数における身宮・命主・身主の鑑定法

著者・田中(あらいちゅー)の自画像田中(あらいちゅー), 馬主で大家で占い師田中(あらいちゅー) @araichuu Twitter

紫微斗数における身宮・命主・身主

紫微斗数に登場する身宮・命主・身主ですが、それぞれの作用や鑑定方法はこれと決まった定説がありません。

特に、命主・身主は鑑定にまったく利用しない人もいます。本稿では、台湾の紫微斗数研究書に取り上げられている、身宮・命主・身主にまつわる説をご紹介します。

日本と台湾の鑑定法の違い

身宮・命主・身主の鑑定法について、まず日本側の説として、椎羅先生がmixiの紫微斗数コミュニティに投稿されていたものをご紹介します。そして台湾側の説として、法雲居士老師の研究書「対你有影響的身宮・命主・身主」の内容をまとめていきます。

日本側(椎羅先生・北斗柄先生)の鑑定法

椎羅先生の説は、命主=命宮の補佐、身主=身宮の補佐という内容です。具体的には、

  • 命主は命宮を補佐するもの。
  • 命宮は先天運を表し、また人生の前半生を表現するとされている。それを補完するように(命主を)見ていく。
  • 身主は身宮を補佐するもの。身宮は後天運を表し、また人生の後半生を表現するとされているので、補完するように(身主を)見れば良い。

という解説でした。

北斗柄先生の補足と鮑黎明先生の本

そして、このトピックに北斗柄(松岡秀達)先生の書き込みが続きます。

「そういえば、鮑先生が命主、身主はソウルメイトを表しているんだよ、とチラっと教えてくれたことがあります」

ここで鮑黎明先生の「飛星紫微斗数闡秘」(東洋書院)を見返すと、497ページに命主・身主の作用が解説されていました。しかしこれは項目としては独立しておらず、巻末の鑑定実例(丁年生まれの男命)の中に入っているものです。

具体的な内容は本を読んで頂くとして、一部を引用すると、「身主の巨門が化忌を持つので、一生を通じて苦労をが多く、人との口論を招き、面相も…(以下略)」という解説になっています。これであれば、主星として命宮に入っている場合と見方に大差ないように思います。

あくまで「丁年生まれの男命」という例について解説していると考えれば、四化星を持っているときに発現する、凶格の時にのみ発現する、といったフラグがあるのかもしれません。

台湾側(法雲居士老師)の鑑定法

続いて「対你有影響的身宮・命主・身主」に記載されている鑑定法についてご紹介します(委細は本を読んで頂くこととして、おおまかな内容を説明するにとどめます)。

身宮の見方

まず身宮については、

  • 身宮は前世の福利(原文は福祉)の累積を表す…
  • 身宮は内心の渇望や価値観を表す…
  • 身宮は財の築き方を表す…

というふうに、鑑定ポイントがゾロゾロと書かれています。

基本的に命宮は今世・表面・自身というのに対して、身宮は前世・内面・他者といったように、内外・自他の区別を付けているようです。

また、身宮が何宮になるかで鑑定する法があると書かれています。細かく紹介しようかと思いましたが、これは村野大衡先生の本「紫微斗数命理学 新理論の活用」にも同じような記述があったので、割愛します。

命主・身主の見方

そしてお待ちかね、誰もがいまひとつ解らない命主・身主ですが、実は「対你有影響的身宮・命主・身主」にもそれほど記述は多くありません。

この本は全体で250ページほどあるのですが、命主・身主についての記述は20ページ程度となっており、そのほかは全て身宮に関する鑑定法に費やされています。

具体的には、

「みんな命主・身主の使い方や作用はよく知らないわよね~。まず命主というのは、命主盤という新しい盤を作って見るのよ」

という紹介のあとに、命主の座す宮ごとにどういう作用があるのかという解説が続けられています。命主盤というのは要するに、命宮の位置から命主を出す表のことを指しているようです。

その後、鑑定での使い方として「命主を使うと、その人の命格や特性が一目瞭然になって便利よ!」として命主の項は締められています。

続いて身主に関してですが、

「紫微斗数において、身主はその人の先天的な生命資源を内包しているものを代表しているのよ」(原文は「先天生命資源的内涵」)

という解釈になっています。

その後、身主になる星をそれぞれ「生・老・病・死・人・精神・文化的気質」いずれを表すかを説明し、それぞれに解釈をつけてこの本は終わります。

ちなみに私の身主は天機ですが、天機星には「天機星は人の精神を代表し、体には霊性を有しています。聡明で学習を通じて知恵に到達することができます」といった、仏典のような解説がつけられていました。

身宮・命主・身主の鑑定法に関するまとめ

以上のように、身宮については何となく鑑定法がわかってきたのですが、命主・身主については今ひとつパンチの効いた理解が出来ませんでした。一応、両説をざっくりとまとめておきます。

  • 命宮は今世、表面、自身(自身というよりは、自動?)を表す。
  • 身宮は前世、内面、他者(他者というよりは、受動?)を表す。
  • 命主は命宮を補助的に見るために使う。意味も使い方も似てるし。
  • 身主は身宮を補助的に見るために使う。意味も使い方も似てるし。

命主・身主はあまり気にしないことにした

個人的な意見ですが、身宮は鑑定や指導の際にとても役立ちますが、命主・身主はそれらよりも支配力の強いパーツが複数あると思います。ですから命主・身主にはあまり拘泥せず、しっかり本命盤や命宮を読み込んだ方が益が多いと考えます。

ただし命主・身主にはまだまだ秘伝が埋もれている可能性があり、霊的な鑑定や行運を推理するときの参考になるかもしれません。というわけで、機会があればこの本もさらに読み込んでみようと思います。

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