田中(あらいちゅー), 馬主で大家で占い師
タロットカードの起源と歴史について
タロットカードの歴史についての研究が急速に進んでいる
タロットカードエジプト起源節の否定
十数年前まで、タロットカードの起源はエジプトにあると言われてきました。近年になって研究が進み、「15世紀のイタリアで生まれた可能性が示されている」「起源がどことはまだ断言できない」「ヨーロッパで発見された古いタロットカードの変化を調べていこう」という状況になっています。
ミンキアーテ版タロットの再発見
現在知られている最も古いタロットデッキは「ミンキアーテ版」と呼ばれるゲーム用のもので、1415年にフィレンツェで作成されたと言われています。現物はすでに散逸していますが、複製品が残されており、ここから古い時代のタロットの形をうかがい知ることができます。
ミンキアーテ版タロットのデッキ構成
ミンキアーテ版は97枚という枚数で構成されており、大アルカナは現代のものに近い構成となっていますが、女教皇・女帝・皇帝・法王が存在せず、かわりに大公・東皇帝・西皇帝というカードが入っています。またここに黄道12宮と4エレメント、4徳目が加わって、大アルカナは合計41枚となっています。小アルカナの構成は現在と同様です。
ミンキアーテの語源と愚者のカード
「ミンキアーテ」は男根を表すラテン語がルーツになっていると言われ、「愚者」のカードを切り札とするゲームに使用されていたようです。日本でいうと、坊主めくりというところでしょうか。英語版のWikipediaにゲームのルールと、カードの一覧がありますので、ご参考ください。
タロットカードはゲーム札として誕生した
このように、タロットカード自体はゲーム用の札として生まれ、いつしか占いに転じられたと考えられます。
小アルカナに現在のような絵柄が振られたのは(辿れる限りでは)16世紀に入ってのことで、それまではミンキアーテ版がそうであるように、現在のトランプの数札に近いものでした。
そこから考えると、タロットを占いに使うというインスピレーションは、大アルカナの絵柄のほうからもたらされたものではないか、と占い師的には感じます。
タロットカードを占いに使った最古の記録は18世紀のもの
そして考証的には、タロットカードを占いに使った記録は18世紀を遡らないとのことですが、ミンキアーテ版に黄道12宮と4エレメント、4徳目といった項目があることを見れば、誕生から数百年ものあいだ、占いに使われていなかったとは考えにくいですよね。