麻原彰晃が使った占いは透派奇門遁甲と西洋占星術!?

著者・田中(あらいちゅー)の自画像田中(あらいちゅー), 馬主で大家で占い師田中(あらいちゅー) @araichuu Twitter

オウム真理教の「大宇宙占星学」とは?

占いを愛した麻原彰晃

オウム真理教は布教手段の一環として(当時では)かなり高水準な占いを用いており、「大宇宙占星学」という名前で鑑定も行っていました。

オウム真理教で大宇宙真理占星学のワークをしていた人(要するに占星術師チームのメンバー)の手記には、オウム真理教の西洋占星術部門では90年代初頭にザビアンを研究していたこと、四柱推命や紫微斗数など東洋占術のパソコンソフトを作っていたことなどが書かれており、オウム真理教の占い研究のレベルが相当なものであったことがわかります。

このあたりは文末のツイートをお読みいただくとして、今回は1988年に刊行されたオウム真理教の機関誌「マハーヤーナ」に、大宇宙占星学についての少々詳しい記載がありましたので、そちらを紹介したいと思います。

※大宇宙真理占星学と大宇宙占星学の違いについては研究不足なので割愛します。

「マハーヤーナ」に書かれた「大宇宙占星学」の正体

こちらがその「マハーヤーナ」です。

表紙の目次に「大宇宙占星学」と大きく書かれており、雑誌によくある毎月の運勢も収録されています。

こちらが占いコーナーの表紙。
「未来予知の本命・大宇宙占星学の真実」と書かれています。

驚いたことに、このコーナーの文責は麻原彰晃本人となっています。そして協力でCSIという名がクレジットされています。この書き方だとオウム真理教内の組織ではないように見えますが、(オウム真理教内で科学技術省の元になった)教団内の技術グループのことでしょう。

ページをめくると「画期的な大宇宙占星学が西洋占星学と混同されてしまっては困る」と口語で書かれています。このコーナー自体が麻原彰晃の筆なのかは疑問なのですが、尊師のコメントという体裁を取る以上、教団の公式な見解なのでしょう。

そしてこちらが「大宇宙占星学の特徴」です。なんとびっくり、古い東洋占術の研究者にはお馴染みの「立向」「座山」という文字が出てきます。年代的に考えると、この言葉の元ネタは透派奇門遁甲にあると言って差し支えないでしょう。

オウム真理教は(当時の水準で)腕の立つ占い師をスカウトしたり、信徒を占い教室に通わせていたと言われています。香草社から奇門遁甲や七政四余などのアイデアを持ち帰っていたとしても不思議ではありません。

このコーナーには「飛行機事故や地震についても占いで予知できた」という旨の内容が書かれており、要するに一般的な西洋占星術とマンデーン、透派奇門遁甲のちゃんぽんのような占いだと理解できます。

その間をつなぐものが何かを知りたいのですが、紙面では「計算に必要な変数や資料は尊師がアストラル界から持ち帰った」「門外不出の秘伝」「私は解脱しているからわかるが普通の人には無理」だのと書かれており、はっきりいって埒が明きません。

おそらくはCSIグループの占い師に研究させた西洋占星術、マンデーン、ホラリー、そしてザビアンのエッセンスを継ぎ接ぎして、立向と座山という透派奇門遁甲のアイデアをまぶし、なんとか体系化したものではないかと予想しています。

麻原彰晃の占いを復元したところで、占い業界には何一つメリットはないと思うのですが、カルト宗教と占いとの関係や、占いに入れ込んでいだ麻原彰晃という人物を考える一助にはなると思います。

私はこれからも文献を集めていくつもりですが、さらに詳しい人のコメントや解説が欲しいところです。ぜひ、コメントやツイート、メールでメッセージをお寄せくださいね。

おまけ・オウム真理教と占いに関する一連のツイート

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